腱板断裂の手術後、雨で痛みが出るのはなぜ?原因と対処法についてご紹介

「雨が降る前から痛みが出る」

「雨が降り寒くなると痛みが強くなる」

「気温・気圧の変化によって痛みの度合いが変わる」

という悩みを抱える方は多く、腱板断裂の手術後以外でも、頭痛や肩こり、事故後のむち打ちなど、雨により痛みが強くなることは少なくありません。

雨の日に痛みが出るのは普通のこと?と不安を抱いてしまうかもしれませんが、これは化学的にも証明されており、よくある症状の1つなのです。

この記事では、雨により痛みが出る原因と対処法についてご紹介致しますので、特に梅雨の時期など、辛い思いをされている方は是非参考にしてみて下さい。

目次

雨で痛みが出る原因

これからご紹介する原因は、異常な状態ではなく、怪我や手術後の傷がある場合や、慢性的な肩こり・頭痛などを抱える方に起こりやすい特徴です。

痛みは、自律神経(特に交感神経)と呼ばれる、心と体をコントロールする神経の働きが関係していると言われています。

その自律神経がアンバランスになると、雨で痛みが出やすくなるのです。

そこで、雨によって自律神経がアンバランスになりやすい原因を3つご紹介します。

気圧変化を感知する「耳」が過敏になっている

痛みのある方は、気圧の影響を受けやすいと言われています。

そして、人が気圧を感知するセンサーは、耳にあることが研究で分かっています。

すなわち、痛みのある方は、耳が気圧変化に対してより敏感であるために、天気の崩れに伴う小さな気圧の揺れが気圧センサーを刺激して、自律神経を興奮させ、痛みを増強しているのです。

気温低下によって交感神経が刺激される

雨が降ると寒くなることが多く、急激な温度差が生じる場合もあります。

環境の温度が低下することで、交感神経を刺激し、痛みの増強が生じてしまいます。

また、皮膚の冷覚受容器(冷たい刺激を感知する部分)が活性化することが、低温による痛み増強の原因と言われているのです。

痛みへの不安や恐怖心がある

人の感情をコントロールしている「心」はどこにあるのでしょう?と聞かれたら、左胸あたりの心臓をイメージする方は多いと思います。

しかし実際は、人の「心」の場所は「脳」にあります。

つまり、痛みの感情をコントロールするのは脳なのです。

ただし、痛みを気にするなと言われても、痛いものは痛いのだから、そんな簡単に痛みを忘れることはできないのが普通であり、脳が痛みを敏感に感じやすくなっているのです。

雨による痛みの対処法

雨による痛みの原因が分かったところで、次は対処法を5つご紹介します。

天気は仕方ないし、雨が降るのは止められないし…と諦めている方も多いと思います。

ですが、少しでも痛みが減って欲しいと筆者は願っています。

ここでご紹介する対処法はいずれも、そんなに難しくないので是非試してみて下さい。

耳や耳周囲の血行改善の運動をする

前述したように、気圧を感知するセンサーが存在するとされる耳が過敏になっていることが考えられるので、耳や耳周囲の血行改善のための運動を行うことが効果的です。

耳や耳周囲の運動を3つご紹介します。

  • 耳たぶの少し上をつまみ、横に引っ張りグルグル回す
  • 手の平の下部分で、こめかみ、耳の後ろ、耳の下、耳と頬の間を押さえてほぐす
  • 頭の後ろで両手を組み、首を下に向けて首後ろのストレッチをする

皮膚を温める

皮膚の冷覚受容器を活性化してしまうと痛みが強くなるので、温めることはとても大切です。

気温の変化がある季節の変わり目は特に管理が難しいのですが、なるべく温めることで痛みを軽減することができます。

◉こちらの記事もご参照下さい【夜間痛で肩が痛くて眠れない方へ、五十肩や腱板断裂による夜間痛の原因と対処法】

痛みが強い時こそ動かす(痛みが強くならない範囲で)

痛みを防御する反応として、動きが乏しくなると同時に、姿勢が悪くなることがあります。

また、「動かすと痛い」と思ってしまうこともあり、必要以上の安静をとることで、さらに痛みが強くなってしまうという悪循環を引き起こす場合があります。

そのため、動かしても痛みが強くならない範囲での運動を、積極的に行うことが大切です。

痛みの日記をつける

痛みが出やすい状況や、逆に痛みが出にくい状況といった痛みの把握をすることは、痛みに対する不安や恐怖心を取り除くのに大変効果的です。

痛み日記として、カレンダーに毎日の痛みの状態と天気を記録していくことで、どのような時に痛みが変化しやすいのかを自分で把握します。

自分の痛みを把握することで、自己をコントロールできるという安心感が生まれます。

笑う

人は、楽しくて笑ったり、嬉しかったり、恋をしたりすると、エンドルフィンという幸せ脳内ホルモンが分泌されます。

エンドルフィンは、モルヒネと同様の効果があり、痛みに即効性があります。

爆笑とまではいかなくても、楽しいことや嬉しいことを想像し、笑みを浮かべるだけでもエンドルフィンが分泌され、十分な鎮痛効果があります。

楽しい予定を考える、明るい未来をイメージする、最近の面白かった出来事を思い出す、日常生活にささやかな喜びや楽しみを見つけるなど、ワクワクを増やしていきましょう。

まとめ

雨による痛みについて、原因や対処法をご紹介致しました。

天気が崩れる度に痛みが強くなるのではと憂鬱になってしまいがちですが、決して異常なわけではなく生理現象なので、痛みに対して一喜一憂しなくても大丈夫です。

自分に合った対処法を実践し、梅雨の時期を一緒に乗り越えましょう!

引用文献

1. The epidemiological and clinical features of weather–related pain (TENKITSU) and development of prediction information service for the onset of pain (2021)

2.Mechanism of weather–related pain(2019)

3.Characteristics of chronic pain patients who complain weather–related pain and their exercise therapy(2019)

4.Influence of weather on chronic musculoskeletal pain(2018)

5.Weather changes and pain(2015)

6.non-verbal communication(2014)

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